脳画像をみる意味あるよ!リハビリに役立てるのは「障害部位」じゃない理由。
こんばんは!
健康を愛する理学療法士です(^^)
今日は、自分が脳画像を見る大切さを学んだので書かせていただきたいと思います!
なぜ画像を見るのか。
・脳画像ってどうやってみたらいいか分からない。
・何で脳画像を見るの?
・患者さん見れば良いのに、意味あるの?
いやいや、意味ありますよ!
ちゃんと意味を考えてみれば、必ず生かせます!
ってことを話させてもらいたいと思います(^^)
じゃあ先ほども挙げたように、【障害された場所】を見てみるとしましょう。
*病院の先輩、後輩の会話を例に挙げてみます。
先輩「脳卒中の人の画像が分からない?
じゃあさ、この画像見てようよ。ここね、内包後脚に出血部位がかかってるよね。」
後輩「あー、確かにかかってますよね。」
先輩「しかも、かかってる部位が下肢の運動を司ってる部位。だからあの患者さんは今かなり重い片麻痺が出てるんだよ。」
後輩「あー、なるほど!障害部位が分かるんですね!」
今の会話どうでしょうか?
「まあ普通じゃない?」って人もいると思います。
実はこの会話、全然重要じゃないです。
むしろほとんど意味がないです。
脳卒中は、基本的な症状としては決まっているかもしれません。
右中大脳動脈梗塞であれば、
・左片麻痺
・pusher(プッシャー)現象
のように定型的な症状だってありますね。
これは学生の頃にも勉強していく内容だと思います。
ですが、脳卒中になって障害を受ける部位は一つではないこともあります。
全ての患者さんがみんな定型的な症状が出るわけではありませんよね?
このような患者さんの場合は、あらかじめ機能障害や残存機能を予測して定型的なもの以外の評価項目なども考えないといけないですよね!
それを行わずに、定型的な評価しかしなかった結果として
【患者さんの機能障害や残存機能を見逃す】
【障害の解釈が不十分となり、出ている症状の本質がわからないまま退院していく】
ということが起こり得ます。
障害されてる部位なんて、必要ないとまでは言いませんが最重要ではないと思います。
患者さんの体に出ている症状の答え合わせになってしまっては意味がないのです。
それこそ自己満足。
一番大事なのはそこではありません。
大切なのは患者の残存する機能だ!
これです。
脳画像を読むべき本当の意味は、
【その患者さんの中で障害されていない部位はどこなのかを知ること】です!
だって、患者さんの出ている症状見れば障害されてる部位なんてみる必要ないですよ。
何故ならば、【そんな障害された部位当てをしてたところで、臨床の評価や治療に何も活かせないから】です。
さっきの先輩後輩の会話も、
「で?だからどう患者さんへの評価や治療に活かせたの?」
ってなりませんか?
患者さんの全体像を見る時に必要なのは、
【病前の機能➖疾患による機能障害➕残存する機能】というのが大切です。
病前どうだったか、というのは必ずチェックしなければなりません。
昔からの歩行を自分の知識を当てはめて正常歩行を行わせようなんてもってのほかですよ!
あなたの知識や経験なんて二の次です。
・患者さんがどのようになりたいか。
・HOPEは何で、それの達成、退院後の生活のためにどのような提案ができるか。
ちゃんと考えましょう。あなたの人生ではありません。
では、残存する機能を考えた時、臨床でどのように活かせるのでしょうか?
臨床での脳画像の見方、生かし方
例えば、構成障害を呈している患者さんを例に挙げましょう。
右の中大脳動脈梗塞の患者さん、皮質レベルでの画像を見たとします。
その時に、頭頂葉の外側部にある[下頭頂小葉]が障害されていました。
この場合、【視空間認知、構成機能、方向性注意】などに関わっている脳領域です。
ここまでは、障害されている領域ですね!
では、
【その人の残っている力=残存機能】はどこなんでしょうか!?
中大脳動脈梗塞の患者さんでは、【側頭葉が担っている物体視機能は保たれている可能性が高い】です!
これも、素人のような推測ではなく脳画像を見てしっかりと確認したいですね!
なので、
・着替えの時に腕を入れる場所がよく分からなくなる
といった患者さんには、自分の右手首と右の服の袖に同じ色のテープなどを貼っておく。
そうすると、この患者さんは色の認知は可能なためエラーを少なくできる可能性がありますよね(o^^o)
このように、残存機能を知っていれば【その機能を使った代償が可能かどうか。】が考えやすくなり評価がスムーズに行く可能性があります!
まとめ、臨床に生かそう。
【残された脳機能を確認する。
そこで分かったことや、曖昧なところを実際の患者さんで評価してアプローチにつなげる。】
これが大切なわけです!
脳解剖の知識の復習にもなりますし、そこからもかなり臨床で活かせる幅が広がると思います^ ^
是非、脳血管疾患の患者さんを見る場合は脳画像も見てみると良いですね!
ではまた!