下肢装具を脳卒中片麻痺患者に使う本当の意味。短下肢装具と運動学習の重要性。
こんばんは!
健康オタクの理学療法士です!
ここでは、長下肢装具の記事の続きで、短下肢装具と運動学習について書かせていただきます(^^)
短下肢装具(以下、SLB)
こちらはLLBの膝支持を取ったパターンのものです!!
膝の支持というのは、【膝関節を動かす筋(
シューホーンブレイス(SHBとも。足関節の底屈制限)
クレンザック継手(写真のはダブル。こちらは底背屈制動)
種類も適応も異なります。
・制限は固定
・制動は固定はせず抵抗をかけている
というイメージですね!
色々ありますが各論で説明します。
膝の支持性がないまま短下肢装具に移行しては良くないです。
先ほども言った膝折れや反張膝(back knee、膝関節過伸展)を作ってしまう可能性があります。
あとは、長下肢装具とは違い自宅でも使用できるものなので、在宅を見据えられるレベルであれば早めに検討をした方がいいですね!!!
◯裸足で踵が地面につくか(足関節の背屈可動域は十分か)
これが出来ないと歩行での踵接地(イニシャルコンタクト、以下I
更には立位姿勢をしっかり取れないわけですから、股関節伸展(
そうすると、先ほども申し上げたCPGの賦活は行うことが困難に
なので、LLBを使用しての歩行のみではなくて裸足や装具無しでの状態も評価しましょう(^o^)
運動学習とは?慣れとは?
運動学習とは、
【練習や経験に基づく一連の過程で、技能的行動を遂行する能力を、獲得させる比較的永続的変化をもたらすもの。】
と定義されています。
*比較的永続的変化とは、簡単に言うと
「それを行わない期間が続いても体が覚えていて出来てしまう。」様な事を言います!!!
なじみのある言葉で言うと、【慣れ】ですよね(*^_^*)
いつでも皆さん自然と運動学習は生活している中で行っています(^^)
歩行なリハビリ以外で例えを挙げますと、
・自動車、自転車の運転
・スポーツの特異的な動作
などですね、様々です(・∀・)
専門的には【Fittsの運動技能学習の三相説】というのがありますので、
認知相(初期)
何を行うかを理解し、言語的に考え、運動が巧みになるようにいくつかの仕方を試みる。
*この時は、分散練習といって休息を多めにとりつつ試行回数も多くなくて良いと言われています。
また課題で言えば、部分法と言って要素ごとに分けて行うのも良いです!!!
例を挙げましょう。
「歩行周期の中で〇〇期を切り取って、そこでの荷重や重心移動を反復する」
というような訓練方法ですね(^^)
自動相に向かうにつれて、FBも少なくし、自分自身で考えて運動してもらうようにしていきます。
連合相(中間)
個々の感覚が滑らかな協調運動パターンになっていく。感覚情報フィードバックと結果の知識(Knowledge of Result,以下KR)によって、初期の誤りが見出される。
そして修正され無駄な運動が除去されていく。
自動相(最終)
運動は高度に統合され、無駄なく滑らかになる。
手続きの自動化、運動に対する注意の減少が進む。
(注意を回りに意識的に払わなくとも注意の配分が可能となっている。)
*この時期にはセラピストからのFBは少なくて良いです。
多いと依存を招いてしまいます。
また、課題特異的な運動をどんどんやっていきましょう(^o^)
自宅環境を想定しながら訓練をして、退院してからの生活を良いものにしてあげられるように。
注意の焦点化
ここでは、フィードバックをする際やKRを与える際に考えてもらいたいことを書きます!
患者さんに対しての言葉によって、身体の変化は異なってきます。
【どこに注意を向けるか】というのがとても大切になるのです。
これには二種類ありまして、
・内的焦点化(internal of focus attention、以下IFA)
・外的焦点化(externa
の2種類があります!!
この違いとしては、簡単に言うと
IFA⇨「自分自身の運動自体に対する注意」
EFA⇨「環境に対する身体運動の効果への注意」
です。
具体的に説明していきます(*^^*)
私がやっていた野球の、バッティングを例に挙げていきましょう。
IFAは、【腕をこうやって折りたたんで打つ】というような自分
EFAは、【
数々の文献(研究)では、IFAよりもEFAの方がパフォーマンスが向上すると言われています。
なので、EFAでのフィードバックが出来ると良いかなと!
私自身も、患者さんが歩いている時に「もう少し歩幅を大きくしてみましょうか」といったIFAのフィードバックをしてしまうんですよね、、、
難しいなと思いながら私も患者さんを見ています。
でも周囲の環境にフォーカスを当てれば「あの線を踏むように足を出してみましょう」というような言い方であればEFAになりますね(*^_^*)
最後に。患者さんに合った装具を。
いかがでしたでしょうか?
ここまでは下肢装具や運動学習についてのエビデンスを挙げながら、なぜ行うかや根拠を紹介させていただきました(*^_^*)
今後、詳しいお話もしたいと思いますので、よろしくお願い致します!!
ではまた!!